不動産を売却して物件代金を受け取ると、税金が発生します。
国民には納税の義務が課せられているため、社会のためにも忘れずに納めることが大切です。
今回は不動産を売却した時にかかる税金について情報をまとめますので、参考にして下さいませ。

不動産の売却や税金と聞くと、難しくイメージしてしまう人もいるかもしれません。
しかし売却時の税金は、実はシンプルに考えることができます。
不動産を購入した時の金額と、売却した時の金額を比較してください。
たとえば2,000万円で購入した不動産があり、それを5,000万円で売却したとします。
単純に計算すると、3,000万円の儲けがあることになります。
この場合3,000万円の儲け分が譲渡所得となり、それに対して所得税と住民税が課せられるのです。

所得税と住民税は、支払いのタイミングが異なります。
所得税は売却した年の翌年3月15日までに確定申告をして、納税を行うことになります。
税務署に申告した場合は、その申告書の内容が市区町村に回りますので、住民税の手続きは確定申告だけでOKです。
住民税は翌年の6月からの納付となります。
2つの税金をセットにして考えてしまうと、納税を忘れてしまうかもしれません。
確定申告ですべての納税が完了するわけではないので、間違えないように注意して下さい。

譲渡所得に対する税額を計算する場合、譲渡所得額に税率を掛けて計算します。
譲渡所得額は、下記のように計算します。
譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
・譲渡価額とは、土地や建物の売却代金などをいいます。
・取得費とは、売った土地や建物を購入した時の代金や、購入手数料などの土地建物の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費などの額を加えた合計額をいいます。
※なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)とすることができます。
・譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。
・特別控除は、通常の場合ありませんが、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除など各種の特例があります。
税額は売却した不動産の所有期間が短期か長期かによって分かれています。
短期か長期かを決める基準は、売却した年の1月1日現在で不動産を所有していた期間となります。
((所有期間が5年以下であれば短期となり、税率と税額は下記のとおりです))
税額=譲渡所得金額×30%(住民税9%)
(注)平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。
(例)譲渡所得金額が800万円の場合
(1)所得税
   800万円×30%=240万円
(2)復興特別所得税
   240万円×2.1%=5万400円
(3)住民税
   800万円×9%=72万円
合計:(1)+(2)+(3)=3,170,400円
((所有期間が5年を超えていれば長期となり、税率と税額は下記のとおりです))
税額=譲渡所得金額×15%(住民税5%)
(注)平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。
(例)譲渡所得金額が800万円の場合
(1)所得税
   800万円×15%=120万円
(2)復興特別所得税
   120万円×2.1%=2万5千200円
(3)住民税
   800万円×5%=40万円
合計:(1)+(2)+(3)=1,625,200円

不動産の所有期間が長い方が、税率は低くなります。

※2013年から2037年までの間は、復興特別所得税が課税されます。
2011年に発生した東日本大震災の復興のために、財源を確保する必要があるためです。

自分が住んでいたマイホーム(居住用財産)を売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例を受けることができます。
譲渡所得の6,000万円以下の部分の税率は10パーセントとなり、6,000万円を超える部分は15パーセント+600万円となります。
※この軽減税率の特例を受けるには、次の5つの要件全てに当てはまることが必要です。
(1)日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
  なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 (注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。
 イ 取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
 ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
 (2) 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
 (3) 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。
 (4) 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。
 (5) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
   特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
 (注) (特定増改築等)住宅借入金等特別控除については、入居した年、その前年又は前々年に、この軽減税率の特例の適用を受けた場合には、その適用を受けることはできません。
  また、入居した年の翌年又は翌々年中に、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となる資産以外の資産を譲渡し、この特例の適用を受ける場合にも、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできません。
  (特定増改築等)住宅借入金等特別控除の概要等については、マイホームの取得や増改築などしたときを参照してください。
  この特例を受けるためには、次の書類を添えて確定申告をすることが必要です。
  なお、マイホームの売買契約日の前日においてそのマイホームを売った人の住民票に記載されていた住所とそのマイホームの所在地とが異なる場合などには、戸籍の附票の写し、消除された戸籍の附票の写しその他これらに類する書類でそのマイホームを売った人がそのマイホームを居住の用に供していたことを明らかにするものを、併せて提出してください。
(1) 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)〔土地・建物用〕
(2) 売った居住用家屋やその敷地の登記事項証明書

不動産の売却による譲渡所得がある人は、忘れずに納税の義務を果たして社会に貢献しましょう。
税金について不明点や不安なことがあれば不動産業者ではなく、手続きの代行などを行ってくれる税理士に相談すると良いです。